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イギリスの陪審制

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    イギリスの陪審制

    イギリスの陪審制
    イングランド及びウェールズ
    イングランド及びウェールズは、陪審制を生んだ土地であるにもかかわらず、アメリカと異なり陪審の権利を保障した成文憲法がないこともあり、次第に、時間と費用がかかりすぎるという考え方から、陪審審理が制限されていった。
    19世紀半ば以降、特に民事陪審は衰退していき、詐欺、名誉毀損、悪意訴追・誣告、不法監禁というごく一部の事件に対象が限定されることになった。
    刑事陪審でも、19世紀から20世紀にかけ、陪審審理が行われない治安判事裁判所の管轄できる事件の範囲が徐々に拡大するにつれ、実質的に陪審審理は限定されるようになったと指摘されている。
    イングランド及びウェールズでは、陪審員は18歳から69歳までの、有権者登録がされている市民から無作為に選ばれ、毎年約20万人が陪審員を務めている。
     
    刑事陪審
    刑事事件のうち、一定の重大な事件である正式起訴犯罪 (indictable-only offence) は治安判事裁判所における予備審問の後に必ず国王裁判所に送られ、選択的起訴犯罪 (offence triable either way) は治安判事により正式起訴手続相当と判断された場合は国王裁判所に送致される。
    治安判事が略式起訴手続相当として自らの裁判所で裁判することを決定した場合でも、被告人は国王裁判所における陪審審理を選択する権利がある。
    こうして国王裁判所に送られた事件は、陪審により審理される。
    略式起訴犯罪 (summary offence) については、治安判事が裁判を行い、陪審審理は行われない。
    ただし、2003年刑事司法法 (Criminal Justice Act 2003) により、国王裁判所でも陪審審理が行われない二つの例外が設けられた。
    一つは重大又は複雑な詐欺事件について、審理にかかる期間や複雑性から陪審審理の負担が大きいと判断した場合には、裁判官が陪審なしの審理を命じることができるとするものである(ただし高等法院首席判事の承認が必要)。
    この規定は立法過程で大きな論争を招いたため、議会両院が認めるまで施行されないこととされており、2008年現在、政府の努力にもかかわらず、この規定の施行の目処は立っていない。
    もう一つは、陪審に対する干渉(買収、威迫等)が疑われる事件で、陪審なしの審理を許すものである。
    これは、陪審に対する干渉について「現実的かつ差し迫った危険」を示す証拠があり、警察による保護をもってしても、干渉が行われる十分な可能性があり、かつ陪審なしの審理が正義にかなう場合に許される。
    同規定は2006年7月24日に施行され、最初に適用されたのは2008年2月であった。
    このほか、2004年ドメスティック・バイオレンス処罰及び被害者法 (en) 17条から20条には、ドメスティック・バイオレンスで訴追された被告人について、一部の訴因だけをサンプルとして陪審で審理し、有罪の場合には残りの訴因を裁判官のみで審理するという規定が設けられた。
    これらの規定は2007年1月8日に施行された。
    また、被告人が、答弁で、前に同一犯罪で裁判を受け有罪判決又は無罪判決を受けたことを理由として一事不再理の申立てをした場合も、裁判官はその問題を陪審なしで判断する。
    現在、刑事事件の事実審理(トライアル)の大多数は法曹資格のない治安判事により行われており、陪審審理が行われるのは1%ないし2%程度にすぎない。
    1997年の時点で、約186万人の被告人が治安判事裁判所で裁判を受けるのに対し、国王裁判所で裁判を受けるのは約9万1300人(正式起訴犯罪はその19%)で、そのうち無罪の答弁をして陪審審理を受けるのは67%である。
    陪審審理を受けた者のうち、無罪の評決を受けるのは40%である。


    検死陪審

    検死陪審
    検死官は、(1)刑務所又は警察の留置場で人が死亡した場合、(2)警察官の職務執行に際し人が死亡した場合、(3)労働における健康と安全等に関する法律 (en) に当てはまる死亡の場合、又は(4)人の死亡が公衆の健康若しくは安全に影響を及ぼす場合には、死因審問のため、陪審を召喚しなければならない[145][146]。
    2004年、イングランド・ウェールズにおける死者51万4000人のうち、2万8300件について死因審問が行われ、そのうち570件が陪審によって行われた[147]。
     
    民事陪審
    1846年までは、イングランド及びウェールズではすべてのコモン・ロー上の民事事件は陪審によって審理されていた。
    しかし、1846年の法律で州裁判所 (County Court) が新設され、そこでは当事者が希望した場合で、5ポンドを超える事件に限って陪審審理が行われることとされた。
    すると、州裁判所で陪審審理を要求する当事者は実際には少なかった[148]。
    この新しい制度が成功をもって受け止められたことに加え、裁判官の清廉さと法制度の専門化が次第に認識されるようになったこともあって、1854年のコモン・ロー手続法 (Common Law Procedure Act) で、高等法院王座部における訴訟当事者が裁判官1名のみの審理を選べることとされた際も、大きな抵抗なく受け入れられた[149][150]。
    その後の80年間に、民事事件における陪審審理の利用は着実に減っていった[151]。
    1883年には、最高法院規則で、陪審による証拠調べが不便であるなど一定の場合に、裁判官の裁量により陪審審理を行わないことが認められた[152]。
    1933年の司法運営(雑則)法[153]6条は、高等法院王座部における陪審審理の権利を次の事件に対して保障する一方、その他の事件については、高等法院王座部で審理されるいかなる訴訟も、裁判所又は裁判官の裁量により、陪審で審理するか陪審なしで審理するかを命じることができるとした。
    詐欺
    文書による名誉毀損
    口頭による名誉毀損
    悪意訴追・誣告
    不法監禁
    誘惑
    婚約破棄
    この法律は、事実上、上記の限られた事件を除き、イングランド及びウェールズにおける民事陪審に終わりを告げるものであった。
    1966年の控訴院の判決で、デニング裁判官は、人身傷害の事件は損害の算定に技術的な専門知識と経験が必要であるため陪審審理にふさわしくないとの判断を示した[154]。
    その当時、既に、当事者が人身傷害の事件で陪審審理を求めることはほとんどなかったものの、民事事件の多くを占める人身傷害の事件で陪審審理が否定されたことは、民事陪審の終焉を決定的にした[155]。
    ロンドン地下鉄で発生したキングズ・クロスの火災 (en) についての1990年の訴訟では、訴訟当事者が陪審審理を求めたが、事件の技術的な性格を理由に拒否された[156]。
    1981年最高法院法 (Supreme Court Act 1981) 69条は、1933年法6条を改め、高等法院における民事陪審の適用範囲を更に狭めた。
    すなわち、陪審審理を行わなければならない事件を、詐欺、名誉毀損、悪意訴追・誣告、不法監禁の事件に限り、かつ、これらの事件においても、トライアルに書面や金銭の計算や科学的調査、あるいは現場の調査が必要で、陪審により行うには不都合であると裁判所が考える場合には、陪審審理を行わないことができるとされた[157]。
    今日、イングランドとウェールズにおける民事事件のトライアルのうち、陪審によるものは1%未満であり、その多くが名誉毀損事件である[158]。


    スコットランド
    スコットランド
    スコットランドの最高法院スコットランドの刑事事件は、(1)最高法院 (High Court of Justiciary)、(2)州裁判所 (Sheriff Court) の正式手続 (solemn procedure) 、(3)同じく州裁判所の略式手続 (summary procedure)、又は(4)簡易裁判所 (District Court) のいずれかに起訴され、審理される。
    このうち最高法院と州裁判所の正式手続では陪審審理が行われるが、他の二つでは裁判官による審理が行われる[160]。
    殺人罪と強姦罪(その他ごく限られた犯罪)は最高法院に専属的管轄があるので、陪審審理が保障されている。
    その他の事件は、検察官の選択により、最高法院(量刑に制限なし)、州裁判所の正式手続(選択できる量刑の上限が自由刑3年)、同じく州裁判所の略式手続(量刑の上限が3か月)又は簡易裁判所(量刑の上限が60日)に起訴される[161]。
    被告人には正式手続と略式手続の選択権はない[162]。
    スコットランドの刑事陪審の、イングランドなど他の法域と比べた場合の特殊性は、次の3点にある[163]。
    陪審員の人数が15人である。
    これは16世紀末までに確立した伝統である[164]。
    評決は、8対7の単純多数決で行う。
    そのため、評決不能 (hung jury) は生じない。
    ただし、審理の途中で陪審員が病気等で欠けた場合、12人以上残っていれば審理を続行することができるが、その場合でも有罪評決を答申するためには8人の賛成が必要であり、その賛成が得られなければ無罪評決となる[165]。
    有罪 (guilty)・無罪 (not guilty) の評決のほかに「証明なし」(not proven) という特殊な評決が認められている。
    証明なしは無罪評決と効果に違いはないが、「無罪」が、被告人が犯罪を犯していないということ(無実)を積極的に宣言するものと考えられているのに対し、「証明なし」は被告人の有罪が結果的に証明されなかったということを意味するにすぎないと考えられており、証明なしの評決はしばしば出されている[166]。
    一方、スコットランドの民事陪審は、1815年にイングランドから移入されたもので、陪審員の人数や評決に必要な数、評決の種類などはイングランドと同様である[167]。
    民事陪審が行われるのは最高民事裁判所 (Court of Session) における一定の類型の事件に限られ、当事者の希望による。
    対象となるのは、人身傷害(死に至った場合を含む)に対する損害賠償の訴え、名誉毀損の訴え、過失又は準過失の不法行為に基づく訴え、(現在は実際には行われていないが)一定の根拠に基づく減額の訴えである(1988年法11節)。
    陪審審理の期日が指定されるのは年に200件程度であり、そのうち実際に期日が実施されるのは年に50件程度である。
    陪審審理が必要な事件では、エディンバラ及びロージアン(イースト、ウェスト、ミッド)に居住する者の中から36人の陪審員候補者が召喚され、その中から12人の陪審員が選ばれる。
    評決は全員一致又は多数決で行われる[168][169]。
     
    北アイルランド
    北アイルランドでは、陪審裁判の役割はおおむねイングランド、ウェールズと同じである[170]。
    もっとも、テロリストであるとされる者の犯行については、1973年から、陪審裁判ではなく裁判官のみの裁判所(ディプロック・コート、en)で行われた。
    これはアイルランド独立戦争の間に陪審に対する脅迫が多く行われたことによる。
    安全面の改善に伴い、ディプロック・コートは2007年7月に廃止されることとなった[171]。
       

    その他の国
    その他の国における現行の陪審制
    陪審制は、アメリカ・イギリス以外にも、イギリスの旧植民地などを中心に、世界の多くの国にある。
    2000年の時点で、次の国・地域に陪審制があることが報告されている。
    ただし、これらの中には、特に民事陪審については、制度ないし規定としてはあっても、実際には全く、あるいはほとんど用いられていない国・地域もある(その場合、民・刑の符号に[ ]を付す)[172]。
    ヨーロッパ
    イギリス(刑・民)、アイルランド(刑・民)、マン島(刑・民)、ジャージー島(刑)、オーストリア(刑)、ベルギー(刑)、デンマーク(刑)、ノルウェー(刑)、スイス([刑])、ロシア(刑)、スペイン(刑)
    アフリカ
    ガーナ(刑)、マラウイ(刑・[民])、セントヘレナ([刑])、ジブラルタル(刑)
    アジア及び南太平洋
    オーストラリア(刑)、ニュージーランド(刑・[民])、スリランカ(刑)、トンガ(刑・[民])、クック諸島(刑)、マーシャル諸島(刑)、アメリカ領サモア(刑)、グアム(刑・民)、北マリアナ諸島(刑・民)
    北米、カリブ海
    アメリカ合衆国(刑・民)、カナダ(刑・民)、アンギラ(刑・[民])、トルトラ島(刑)、ドミニカ国(刑)、モントセラト(刑・[民])、アンティグア・バーブーダ(刑)、セントルシア(刑)、セントビンセント・グレナディーン(刑・[民])、グレナダ(刑)、ヴァージン諸島(刑・民)、バミューダ諸島(刑・民)、ケイマン諸島(刑・[民])、タークス・カイコス諸島(刑・民)、バハマ(刑)、バルバドス(刑)、セントクリストファー・ネイビス(刑・[民])、ジャマイカ(刑・[民])、トリニダード島(刑)、プエルトリコ(刑・民)
    南米・中米
    ガイアナ(刑)、ベリーズ(刑・[民])、パナマ(刑)、ニカラグア(刑)、ブラジル(刑)、ベネズエラ([刑])

    不倫
    オーストラリア
    オーストラリアには、イギリス植民地時代の19世紀に陪審制がもたらされた。
    オーストラリアの刑事事件の大多数を占める、州(又は領域)の犯罪については、正式起訴犯罪 (indictable offence) と略式起訴犯罪 (summary offence) に分かれる。
    正式起訴犯罪が州の最上級裁判所(最高裁判所)又は中級裁判所(地方裁判所や郡裁判所)に正式起訴(国王の名による起訴)された場合は、12人で構成される陪審の審理を受ける。
    ある犯罪が正式起訴犯罪であるか略式起訴犯罪であるかは立法によって決められるが(明示的に定められていない場合は、通常、刑の上限が1年の自由刑を超える場合に正式起訴犯罪となる)、正式起訴犯罪であっても、事案の軽重、被疑者の希望、検察官や治安判事の意見等を考慮して、治安判事裁判所に略式起訴されることもある。
    この場合は陪審審理は行われない。
    ニューサウスウェールズ州、南オーストラリア州、西オーストラリア州、オーストラリア首都特別地域では、正式起訴された被告人でも単独裁判官による審理を選択することができることとされている。
    近年、略式起訴される割合が増加しており、陪審審理は減少しつつある。
    次に、連邦の犯罪(例えば禁止薬物の輸入など)については、1901年に制定されたオーストラリア連邦憲法において、正式起訴された場合の陪審審理が保障されている。
    もっとも、どの犯罪を正式起訴犯罪とするかは連邦議会の裁量に委ねられており、どれほど重い罪であっても、略式起訴犯罪としたり、選択的正式起訴犯罪として個々の事件ごとに決めさせたりすることも可能であると解釈されている。
    正式起訴がされた場合には、被告人には陪審審理を放棄する権利はないとするのが判例である[173]。
    カナダ
    カナダでは、18世紀半ば、イギリスの植民地となってから陪審制が導入された。
    1892年に制定された刑法典において、重大事件について陪審審理を受ける権利が承認された[174]。
    1982年に制定された成文憲法 (Charter of Rights and Freedoms) でも、一定の重大な犯罪について陪審審理の権利が保障された。
    ただし、多くの選択的正式起訴犯罪については、検察官 (Crown attorney) が陪審審理を回避することができ、陪審審理が行われない事件が増えている[175]。
    韓国
    韓国では、2008年から、重大犯罪のうち被告人が希望した事件を対象に、陪審制に参審制を組み合わせた国民参与裁判制度を実施している。
    陪審員のみで評議を行い、原則として全員一致で評決を行うが、意見が分かれた場合は裁判官と協議の上、多数決で評決を行う点、裁判官は陪審の評決と異なる判決を言い渡すことができる(その場合は判決書に理由を記載する)点など、伝統的な陪審制とは異なる特徴がある[176]。
    デンマーク
    デンマークでは、陪審制と参審制が併用されており、重大事件は裁判官3名と陪審員12名の陪審制で審理されるのに対し、軽罪事件のうち自白事件は裁判官1名で、否認事件は裁判官1名と参審員2名の参審制で審理が行われる[177]。
    ニュージーランド
    ニュージーランドは、植民地時代の1841年の立法によってイギリスから陪審制を継受した[178]。
    現在、ニュージーランドでは、成文憲法ではなくコモン・ローの慣習と1990年の権利章典法 (Bill of Rights Act) に基づいて陪審制が行われている。
    最高刑が14年以上の自由刑である犯罪については陪審審理が必要であり、最高刑が3か月を超える自由刑の犯罪については被告人が陪審審理を選ぶ権利が与えられている。
    ただし、警察官に対する暴行罪など、一定の犯罪については陪審審理が除外されている。
    民事事件では、上級裁判所 (High Court) において、負債の返済請求や金銭賠償請求など一定の事件について一方当事者が陪審審理を要求することができる。
    しかし、陪審審理を受ける絶対的な権利があるわけではなく、難しい法律問題を含む場合か、書面、計算関係の証拠調べが長引いたり、科学的・技術的・ビジネス的・専門的な難しい問題を含んでいたりして陪審で行うには不便な場合には、裁判官のみの審理を命じることができる。
    現在では民事陪審が行われるのは年に1件か2件程度である[179]。
    ノルウェー
    ノルウェーでも、デンマークと同様、陪審制と参審制が併用されている。
    1審の地方裁判所では裁判官制又は参審制で行われ、2審の高等裁判所では、法定刑が6年以上の否認事件が裁判官3名と陪審員10名の陪審制で裁かれるが、それ以外の事件は参審制又は裁判官制で裁かれる。
    ロシア
    ロシアでは、1864年にアレクサンドル2世により陪審制が導入されたが1917年に廃止され、人民参審制が行われていた。
    1993年に一部地域で陪審制が復活した後、2003年年に全地区へ拡大するとともに、参審制は廃止された。
    不倫関係のことを審議してみるとどうなるか?


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